そろそろ『専業主婦なんだから』の脳内呪縛をぶっ壊したい

多かれ少なかれ、専業主婦には自らお金を稼いでいない負い目みたいなものがあると思う。

OL時代、やりがいを感じれる仕事で、それなりのお給料を稼ぐ社会人である自分を誇りに思っていたからこそ、専業主婦になった時は、途端に立場の弱い身分になり下がってしまった気がして、虚しく感じた。

しかし、いざ専業主婦をやってみると、家中そこかしこにやるべき仕事が点在し、想像以上に激務だと痛感させられた。分かりやすい休日はなく、感覚的には24時間労働。それでも、家族が健やかに過ごせる環境作りにいそしむ。大変だけど、物凄く大切で尊い役割を担っているのが主婦なんだと、だんだん理解できるようになってきた。

いつもの『当たり前』を作り上げる立役者。その偉大さを感じれば感じるほど、その『凄さ、有難さ』みたいなものが見えづらいのが難点だとも感じるようになった。自分の頑張りを目に見える形で示したい。そして認めてもらいたい。そんな自己承認欲求が芽生えてくるのも無理はない。

そこで、力を入れ始めたのが『いかにお金をかけず節約して暮らすか』。ここを頑張ることが専業主婦の務めだと思っていたし、〇円節約できた!と分かりやすい部分で示すことで、専業主婦としての自分を褒めて欲しかった。いくら節約できたかが、自分の評価に繋がるような気さえしていた。例えそれが、子供が生まれたばかりの1番自分を労わらなきゃいけない時期だったとしても…。

ちゃんとやっている専業主婦と思われたかったのだろうか。

それとも、ただの自己満足だったのだろうか。

小さな赤子を抱えて、暑い日も寒い日も安いスーパーをはしごして、食材や日用品、大きくてかさ張るオムツを買い、ネットで買うより100円、200円節約できたと、小さな達成感に浸っていた。

しかし、買い出しだけで、気力体力は圧倒的に消耗する。

掃除しなきゃ。洗濯しなきゃ。食事の準備しなきゃ。

疲れすぎて、もう動けない…。

それでも最終的に思うこと。

『でも、しょうがないよね』。

辛くて大変でしんどくても、私は働いていないのだから家事を外注するなんて贅沢だ。本当は、食洗器が欲しい。ドラム式乾燥洗濯機も欲しいし、家事代行も使ってみたい。時間が欲しい。余裕が欲しい。誰かに助けて欲しい。でもそれは、専業主婦には贅沢だ。これを使えるのは自ら収入を得ているワーキングマザーだけ。

だから、やるしかない。

自ら作り出した『専業主婦なんだから…』の固定概念にどっぷり漬かり込んでいた私は、子育ての余裕や家庭の穏やかさを失なっていることにも気付かずに、一人で奮闘していた。いや、自分を自分で追い込んでいた。そして、壊れた。

『賢く家計を管理する』。その考えは全然間違っていない。なんなら、褒められるに値する。でも、それはそうなんだけど…。

数年ママを経験し、失敗と反省を繰り返してきた今、感じ始めてきた思いがある。それは、『人生にはお金をかけるべき時期と効率的に節約するべき時期がある』ということを。

正直、1馬力(いちばりき)の専業主婦家庭には、あらゆるサービスをお願いできるほど資金的余裕がない場合が多い。しかし、それを取り入れることが『専業主婦には贅沢』ってことには繋がらないんじゃないかと少しづつ感じてきている。 

毎日忙しく働くワーキングマザーであっても、お料理が上手で家事も楽しくできるママもいるだろう。専業主婦ママであっても、料理や掃除が苦手で四苦八苦してしまうママもいるだろう。人それぞれ特性があるわけで、『稼いでいるから、いないから』と言う線引きでは語れないと感じてきた。

結局のところ『自分と家族が笑顔になる生活ができるかどうか』

それしか基準は無い気がしている。

負担を減らすサービスを得るということは、正直今よりお金はかかる。それは間違いなく。しかしお金がかかることよりも、ママが笑顔であること、ママに余裕が生まれることを維持する方が家庭内衛生環境は格段に上がると思う。

核家族化が進み、近くに頼れる親がいない家庭も多い。

家族に頼れないんだったら、頼れる何かを導入するのは至極当然なことだった。

長いこと無意識に自分の考えとなっていた固定概念を覆すことは容易では無い。 それでも、少女から大人になり結婚し、母となった私は、今までの人生観がぶっ壊れるくらい激しい経験を経て、今の時代を生きてきた。100%考え方を入れ替えるまでには時間が掛かるけれども、少しずつ柔軟な考え方を、もっと自分の心を楽にさせてあげられるような考え方を取り入れ始めてもいいのかもしれない。

金銭的にかかった部分はいつか取り返せばいい。

まぁ正直、そのいつかは、まだ私には分からないけれども、家族の笑顔あふれる温かい家庭を維持することができたならば、それはきっと金銭的な価値以上のものがあるはずだ。

もうやめよう。

稼いでいないからとか、専業主婦だからとか、そういう風に思うのは、もうやめにしよう。ただでさえ、毎日本当に頑張っているんだから。だから、そろそろ、自分で自分の道を生きていこう。

ライター
もがきママ

過酷と言われる2歳差育児に奮闘している東京在住の専業主婦。
もがきまくっている育児を通して、子育てに悩んでいるママたちにエールを送りたい!
ママだからって諦めずに、自分の人生をしっかり歩みたい!そんな思いで、ブログやTwitterを発信しています。ママ解放活動家としても活動中。
ブログ:もがきママの2歳差育児な日々
Twitter:https://twitter.com/sobakasu_shimie