良い節約はうまいメシから!借金玉の「カリカリお好み焼き」

いきなりの迫力画像失礼します。借金玉でございます。

これは貧困時代における僕の頃の主食「究極お好み焼き」という料理です。

本日は節約のお話ということで、究極の節約レシピから皆さんにお伝えさせていただきます。

気になるレシピはこちらです。青汁、難消化性デキストリン(水溶性食物繊維)、薄力粉、プロテイン、これら四種の粉を混合し、お好みで玉子と蛇口からダイレクトに水を加えてぐちょぐちょに練り合わせ、フライパンで焼き上げるとこのようなお好み焼きが作成可能です。冒頭の漫画は「完全栄養お好み焼きを作る僕」をファンシーに表現していただいたものですが、この迫力が伝わっていれば大変うれしく思います。

このお好み焼きを作っていたころの僕は、月収6万円ほどで生活しており、ある日僕はこんなことを考えました。「一食で極限まで安く簡単に完全な栄養を摂る方法はないか」と。出た結論が、このレシピでした。これにビタミンとミネラルのサプリを摂れば、理屈上大体の栄養は取れます。僕はこのお好み焼きをひたすら食べ続けることで、極限の貧困を生き抜いたと言えます。

さぁ、皆様もこのお好み焼きで節約生活を成功させましょう。健康にどんどんお金が貯まりますよ!

はい。言うまでもありませんが、こんなモンを食べ続けた僕は最終的に精神を患って入院するハメになりました。

もちろん、当時僕の精神状態が悪化したのには様々な複合的理由がありますが(もともと躁鬱の持病があります)、このお好み焼きが大きな原因の一つであることは疑いないと思います。

10年ぶりくらいに作成しましたが、一口食べただけで猛烈な吐き気がこみあげて来ました。

いや、味としては「食えないことはない」レベルではあるんですが。トラウマがまだ残っているようです。

今日皆様に僕がお伝えしたいことは、「人間は美味しいものを食べないと壊れる」ということです。身体の栄養以上に、「美味しい」という心の栄養は大事だというお話をさせてください。みなさま、美味しいものは食べていますか?

節約のコツは美味しいものを食べること

「なにを言っているんだ?」という方もいらっしゃると思います。しかし、僕が2か月以上に渡ってこのお好み焼きを食べ続けた時の話をさせてください。それは、家に米もなく、麺もなく、野菜もなく、小麦粉だけはあったというところから始まりました。節約をしようとすると、「食材は腐る」という大問題が出てきます。必然、保冷すら必要ない「粉」で全てを賄おうという発想が出てきました。

当時僕は人生を見失っており、味という感覚を忘れていた気がします。味つけは冒頭の漫画の通り、尽き欠けたソースに水をザーっと流しいれて、無理やりぶっかけたりしておりました。もちろん、最初は良かったんです。メチャクチャな食生活よりは栄養もマシと言えますし、最初の一週間は体調がよくなった気さえしました。

しかし、2週間が過ぎる頃どんどん気力が失われていく自分に気づきました。体調が悪いわけではないのです。僕はもともと肥満体型ですし、こんなもん食べていればどんどん痩せますから、むしろ身体は軽い。ただ、気力がとにかく出てこないのです。

「そんなもので腹が満ちるのか?」と言われれば、もちろん満ちます。というか、そんなに食べたくないのでこれを一枚食べればもうあまり食べる気はなくなります。そして、毎日「節約できたお金」を貯金箱にチャリンチャリンと入れていました。こうなると、溜まっていく小銭だけが最大の楽しみになってきます。友人と食事に行くこともなく、食べることも楽しむこともない。

ある日、部屋から出られなくなって気づきました。自分は病んでいる、と。

そして、悟りました。人間は美味しいものを食べなければいけない、と。

節約鬱はとてもこわい

当時、僕の口癖は「金がかかる」でした。というのも、食事を緑色のお好み焼きに置き換えてお金をためているわけですから、周囲の人間の「無駄遣い」が不愉快で仕方がないのです。そういう人間がどうなるかといえば、自然に人が離れていくことになります。悪循環の始まりはこんな風でした。友人との会食という習慣を失くすと、気づいたら友人さえもが失われていきました。

ある日、友人が「そんなに金を貯めて楽しいか」と言いました。それに対して僕は、「そんなに無駄遣いをして楽しむなんて正気じゃない」と答えました。今思うと、完全に節約という魔物に取りつかれていますね。

間違った節約が貧困のループを作る

僕の「節約」は、むしろ僕自身を貧困に追い込んでいく負のループを作っていたと今ではわかります。もちろん小銭は溜まりますが、楽しいこともなく生活投資もしないため、人生そのものはどんどん貧しくなっていく。僕が陥ったこれが「ダメな節約」そのものでしょう。確かにあのお好み焼きを食べていれば、炊飯器も冷蔵庫も要りません。でも、それでは人生は負のスパイラルを描くばかりです。

そういうわけで、まずは料理を楽しみましょう。お金がなくても作れる美味しいレシピを今日はご紹介したいと思います。一人前300円でお腹いっぱい、しかも味はそこらのお好み焼き屋さんに劣りません。美味しいものを食べたいという気持ちさえあればあなたは大丈夫です。借金玉オリジナルのお好み焼きレシピです。

これは、焼きそばの入ったお好み焼きを「広島風」と一概に扱ったところ広島人に怒られたので、関西風とも関東風ともつかない美味しいお好み焼きを作ろうという目的で開発したレシピです。カバチ焼きと僕は呼んでおります。一人前300円もあればガッツリ食えますよ!

借金玉式カバチ焼き

まずはフライパンで焼きそばをじっくり焼きましょう。カリカリする必要がありますので、油はちょっと多めで。2枚目の写真くらいのカリ感まで焼けばバッチリです。1枚目の写真で使っているのは焼き魚をひっくり返したりするのに使う道具で、100均に売っており便利です。買いましょう。

生地の材料です。左上から時計回りに、卵、薄力粉(お好み焼きミックスでも可)、すりおろした山芋、魚粉(握りつぶしたカツオブシ)です。

サクっと混ぜて、カリっと焼いた焼きそばの上に流し込みましょう。ちょっと失敗してますが、この程度でダメになるようなヤワなレシピではありません。安心して雑にやりましょう。

雑に刻んだキャベツをドサっと乗せます。結構いっぱい入れちゃっていいですね。ここでキャベツに空気を含ませることで、お好み焼き全体がフンワリします。キャベツと生地を混ぜないのがミソです。

たっぷりのエビと豚肉を乗せます。最近はパナメイエビが安くていいですね。エビと豚肉両方合わせて250円くらいです。豚肉はコマではなく肩ロースなどのガッチリ歯ごたえのある肉を厚めに使うのがコツです。

残りの生地を流します。「え、そんな雑に?」「これでまとまるの?」という疑問があると思いますが、全く問題ありません。テキトーで大丈夫です。ひっくり返すとき、肉とエビをまとめるほんのちょっとの粘りがあればOKなのです。

「フライパンでどうやってひっくり返すのか?」の答えはこれ。テフロンのフライパンなら焦げ付かないので、横にスライドさせれば皿に移すことが出来ます。これを手首でクルンと返してフライパンに落とすと…。

どうです!このお好み焼きの表面をカリカリの焼きそばが覆った仕上がりを見てください。昔から、焼きそばの入ったお好み焼きはなんかヘンニョリして不満だったのですね。これはもう、カリカリという食感がたまりません。オイルポットが汚いのは見ないことにして。

皿に盛るとこのように仕上がります。見てください、この焼きそばのカリカリ感を。

干しアミを炒ったものをバラっとかけ、青のりとソースをブチキメて完成です。大人一人ではとても食べきれない量に仕上がりますので、2~3人で食べましょう。

マヨなんてかけちゃってねこのお好み焼きの中でジューシーに加熱された豚肉。こいつが旨いんですよ。山ほど入れたエビもプリップリでね…。そこに固焼きそばのカリカリ感が乗っかり、自分で作っていうのもなんですがたまりません。

見てこの厚みを。一番厚いところで4センチほどあります。フワッフワかつカリッカリですよ。一人300円以下でこれが作れちゃうからお好み焼きというのはすごいですね。ビバ粉もの。最近は夏でキャベツも安いですからね。

「お好み焼き」はフライパン一個で作れる最も安くて美味しいレシピです。しかも、祝祭感があって楽しいのが大事です。このお好み焼きも完全栄養食と言えますので、みなさまも是非緑色のやつではなく、こちらを試してみてください。

節約は楽しくなければいけません。
人生を楽しんで、節約しましょう!

この文章を書いた人↓借金玉

1985年生まれ。診断はADHD(注意欠如・多動症)の発達障害者。幼少期から社会適応ができず、紆余曲折を経て早稲田大学を卒業後、金融機関に就職。まったく仕事ができず逃走した後、一発逆転を狙って起業。一時は調子に乗るも大失敗し、それから1年かけて「うつの底」を脱出。現在は営業マンとして働く。著書に『発達障害の僕が「食える人」に変わったすごい仕事術』。
ブログ:発達障害就労日誌
Twitter:@syakkin_dama

イラストを描いた人↓ハルオサン

 

18歳で警察官をクビになり日雇い労働・特殊清掃・労働マルチなどをブラック企業を渡り歩き、仕事中の大怪我で体が不自由になったことからヤケクソでブログを書き始めたことで、漫画やコラムを書いて生計を立てるようになる。
ブログ:警察官クビになってからブログ
Twitter:@keikubi123