【これなら今すぐできる】年間350時間も短く働くドイツ人に学ぶこと

こんにちは。

めんおうブログを運営しているめんおうです。7月に会社を退職し、8月からフリーライターになります。

働き方に関しては、わたし自身かなり興味のある分野で、楽しみながらも本腰入れて書きましたので、ぜひご覧ください。

懐かしの5月ゴールデンウィーク。

「まさかの10連勤!」ということで、こんなツイートをしたところ大反響があった。

インプレッションは300万を超えた。

10連休に疑問を持つ方が多かったのだろう。

このような中、働き方に関する書籍が目についたので読んでみた。

・ドイツ人はなぜ、1年に150日休んでも仕事が回るのか 熊谷 徹(2016).青春新書

・ドイツ人はなぜ、年290万円でも生活が「豊か」なのか 熊谷 徹(2019).青春新書

いずれもゴールデンウィーク後のすさんだわたしの心に響き、「短時間で効率よく働いて、豊かな生き方を取り戻したい」と強く思うようになった。

どういうことなのか、考えたことについて紹介したい。

日本の生産性が低い現状

この2冊で印象的だったのは、「日本の労働生産性があまりにも低い」ことだ。

※労働生産性は、一人が時間当たりに生み出した付加価値のこと。

以下は各国のGDPを示した表である。

順位 国名 単位(百万US$)
1 米国 20,494,050
2 中国 13,407,398
3 日本 4,971,929
4 ドイツ 4,000,386
5 イギリス 2,828,644

引用:「世界の名目GDP 国別ランキング・推移(IMF)」(GLOBAL NOTE)

日本が世界第3位で、ドイツを上回っているのがわかる。

しかし、一人当たりの労働時間は以下のようになる。

順位 国名 単位:時間(h)/年
1 メキシコ 2,257
2 コスタリカ 2,179
3 韓国 2,024
  ・・・中略・・・  
22 日本 1,710
23 カナダ 1,695
24 スペイン 1,687
  ・・・中略・・・  
37 デンマーク 1,408
38 ドイツ 1,356

引用:「世界の労働時間 国別ランキング・推移 2017年(OECD)」(GLOBAL NOTE)

労働時間は日本人が1,710時間、ドイツ人が1,356時間で日本人の方がドイツ人よりも年間350時間以上も長く働いていることがわかる。

ドイツの労働力人口が多いのかと言えばそうではない。単純に、ドイツの労働生産性が優れているのである。

今では便利なものにあふれ、お金より時間の価値が高くなっている。
自分の時間を多く持てる働き方こそが、豊かさにつながるのである。

だからこそ、効率的に成果を出すドイツ人の働き方を見習いたいし、そういう時期に来ているのではないだろうか。

労働者を守る法と覚悟

ドイツには、労働時間の観点で労働者を守る法律や仕組みがたくさんある。

・閉店法
平日は午後8時から翌朝6時までは店を開けず、日曜日と祝日の営業も原則禁止。
・有給休暇
最低有給休暇数が年間24日で、ほぼ100%取得。
・労働安全局
企業の労働関連法の順守状況を確認し、不備があれば罰する権限を持つ。

ドイツでは、これらに加え企業でも各責任者を「働きやすい環境づくり」で評価する仕組みがある。 日本で「サービス残業が美徳」とされているのとは大きく違う。

「有給5日間取得義務化」ではなく、もっと抜本的に改革を進めてほしいし「空気感」ではなく法律や仕組みに則って働ける環境を作っていくべきである。

過剰なサービスを求める国民性

日本では「このサービスはやり過ぎだよな」と思うことはないだろうか。

・パンを買った時、一つずつ小分けのビニール袋に入れた上でまとめてビニール袋、さらに手提げの紙袋に入れてもらえる
・レストランではお冷を提供してもらえる
・閉店後に店にいるお客を帰らせられない

一方でドイツのサービス業は、「サービス砂漠」とも言える接客をする。

・鉄道が遅れる、郵便物が届かないのも当たり前
・レストランで使い終わった食器を運ばされる
・閉店後に店に残っている客は追い出される

サービスとしては日本の方が優れているし、必ずしもサービスの質を落とすことはない。 ただし、客側が「低価格で質の高いサービスを受けて当然」と思ってしまうと、店側が働きにくくなる。

わたしは現在、サービス業に就いているがサービスが行き届いていないと怒り出す客が多い。低価格で質の高いサービスを提供しても、認めてもらえないのである。これでは労働時間は長くなり、収入も増えず、次第に「これは自分のやりたい事だったのか?」と疑問が湧いてくる。

客側が受けるサービスに感謝できれば、店側は働きやすくなる。今一度、受けられるサービスに感謝したり、価値を見直したりしてみてはいかがだろうか。

最後に

この記事では、

・労働者を守る法と覚悟
・過剰なサービスを求める国民性

の観点で見直すことが、働きやすさ、ひいては「短時間で効率よく働いて、豊かな生き方を取り戻す」ことにつながると述べた。

すぐにできることではないし、個人の努力でできることにも限界はある。

しかし、その小さな意識の変化が働きやすい環境づくりにつながるのである。 政治に興味を持って投票に行ったり、店を出るときにありがとうと言ったりするだけでもいいだろう。

働き方は生き方である。

仕組みはなかなか変わらないが、個人の意識は今すぐにでも変えられる。この記事を読み終えたとき、みなさんの意識が少しでも変わればと思う。

ライター
めんおう

専業ライター。大学卒業後、防衛省にて10年勤め、民間企業を経てフリーランスへ転向。ネット、働き方、英語、取材などを中心に書いています。クライアント様の伝えたいことを、万策をもってお伝えします。
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